プロジェクターの色判断

プロジェクターを選ぶ場合、十分な明るさがあるか、ムラが無いかなど、チェックしたい項目はたくさんあるのですが、中でも一番悩ましいのがカラーバランスではないでしょうか。
明るさや、ムラは見ればある程度は判断がつきやすいもの。
しかし、カラーバランスとなると、なかなか見分けがつきません。
例えば、もし、あなたが今会社にいらっしゃるのなら、お隣の同僚のモニターを見てください。
一見自分のモニターと同じように見えるかもしれません、
しかし、よく見比べてみると、若干の色合いの違いが分かってくると思います。
自分のモニターばかり見ていると気が付かないのですが、実はみんな色んなカラーバランスのモニターを使っているのです。
もし、ご自身のモニターよりもかなり青っぽかったり、緑っぽかったりのモニターを使用している同僚に、
「それ、色おかしくない?」と聞いてみても、
「どこが?」という返事が返ってくるでしょう。
カラーバランスの受け取り方には個人差があり、また、環境に慣れてしまうのです。
同じことはテレビにも言えますので、自宅に居られる方は、今のテレビ、寝室のテレビ、書斎のテレビ等を見比べみてください。
必ず違いが発見できるはずです。
まずは光の三原色を覚えましょう
どなたもどこかで聞いたことがあると思います。
「光の三原色」
光は「赤」、「青」、「緑」の三つの色から全て構成されているというものです。
逆に言いますと、この「赤」、「青」、「緑」の三つの色さえあれば、どんな色でも作り出すことが可能です。
SHARPさんがテレビコマーシャルで言っている、
「光は4原色」
というのは、宣伝上の演出(?)であって、物理学上はあくまでも3原色なので、騙されないでください。

「R(赤)」、「B(青)」、「G(緑)」の三原色のうち、
「R(赤)」と「B(青)」を混ぜると、「M(マゼンタ)」になり、
「B(青)」と「G(緑)」を混ぜると、「C(シアン)」になり、
「R(赤)」と「G(緑)」を混ぜると、「Y(黄色)」になります。
また、全ての色を混ぜると「W(白)」になります。
ここで覚えておくと便利なのは、「R(赤)」、「B(青)」、「G(緑)」の関係よりも、
「M(マゼンタ)」と「G(緑)」の関係
「C(シアン)」と「R(赤)」の関係
「Y(黄色)」と「B(青)」の関係です。
表をご覧頂くと、それぞれ対角上に位置していて、これらの関係は「補色」に当たります。
「補色」の関係を覚えておくと、色の補正をしたい時に非常に役に立ちます。
補色の関係を利用して色の補正を覚えましょう
「M(マゼンタ)」と「G(緑)」、「C(シアン)」と「R(赤)」、「Y(黄色)」と「B(青)」はそれぞれ補色の関係にあることを説明しましたが、これを色の補 正に役立ててみましょう。
最初にも申し上げましたが、色合いには人間の好みや慣れなどの個人差があります。
プロジェクターメーカー担当者がもっているカラーバランスとエンドユーザーの感覚にずれがあることも多いのです。



以上が色補正の基本です。
実際には「赤を引く」と言っても、どの程度引くのかは最初は少しずつ調整し、試行錯誤の繰り返しだと思います。
また、「凄く赤くて、少し青い」と言う場合もありますので、その場合は「赤と青」もしくは「シアンとイエロー」をそれぞれ調整してやる必要があります。
こちらも慣れなので、根気よくやっていただければ、理想(好み)のカラーバランスを作り出すことが出来ます。
プロジェクターのどこで調整するか?
それでは実際、色補正を行うにはどうすれば良いのか?ご説明差し上げましょう。
プロジェクターの本体上部には操作パネルがあり、そこにある「メニュー」ボタンを押してメニューを呼び出してください。

※ごく一部の機種 (エプソンのELP-735やELP-730など)には操作パネル上に、メニューボタンが無い場合があります。その場合はリモコンからメニューを呼び出します。
※メーカーや機種によってメニュー内各パラメーターの名称が異なる場合があります。


カラーモード機能を使いこなす
カラー調整を実際にしてみると、意外に難しいことがお分かりいただけると思います。
プロジェクターはホームシアターに使ったり、プレゼンに使ったりと用途によって、コントラストや明るさの使い方も違ってきますが、コントラストを上げると、せっかく調整したカラーバランスが変わってしまうことが良くあります。
そんな時はカラーモード機能を使うととても便利です。
こちらもメニューから呼び出すことが出来ます。

調整でも補正できない個体について
カラー補正の各パラメータを操作しても理想の色合いに近づけない個体について、弊社では全台チェックを行い、実際の投影画像を写真に撮り、色合いについて評価しています。
必ず、商品詳細画面をよくご覧頂き、色合いをご確認ください。